ご挨拶

会長就任にあたり

会長 栗原正紀

 このたび5月18日の理事会および総会におきまして、当協会の会長を浜村明徳先生より引き継ぐこととなりました。浜村会長の下で約8年半、常務理事、副会長として従事してまいりましたが、会長としての大任を担うにはまだまだ見識不足で、人格的にもおぼつかない浅学非才の修行の身と言わざるをえません。しかし理事会の皆さま方や会員の皆々さまのご支援を頂きながら、協会の更なる発展と“地域リハビリテーション”の実現のため全力で立ち向かう所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 なお今後、浜村明徳前会長は澤村誠志先生と共に名誉会長に、また石川誠前副会長は顧問として大所高所よりご指導・ご助言頂くようになりました。ここに謹んでご報告いたします。

 今後取り組むべき課題は多岐に渡りますが、ここでは少しわたくしのリハビリテーションに対する思い・主な考え方などを述べ、就任のあいさつに代えさせていただきます。


リハビリテーションの幅広い普及による高齢者医療の体系化を!

 高齢者医療においては「(1)多くの蓄積された知識および進歩した技術・治療法が医師や看護師の許容量をはるかに超え、もはや質の高い地域医療を展開するためには多職種専門家によるチーム医療が必要であること。更に、(2)高度に進歩した臓器別専門的治療が実施され、安心した地域生活に繋がっていくためには栄養管理とリハビリテーションが普遍的に実施されるような地域医療の基盤づくりが重要であること。」などが課題として挙げられます。しかし、現状は急性期(救急)医療においては未だリハビリテーションに対する認識は薄く、栄養サポートチーム(NST)などの特殊部隊的チームの活動は診療報酬の後押しもあって多くの病院で活発になりつつありますが、多職種専門家によるチーム医療の実現には財政上も非常に困難なのが実情のようです。

 一方、回復期リハビリ病棟の誕生から10年を経過して、その整備が急速に進む中、従来どちらかと言えば慢性期医療として位置付けられていたリハビリテーション医療に大きな転換が起こり、昨今ではより急性期(救急)医療に近接したものとして認識されるようになってきました。今や全国で6万床を超えるようになり、急性期と維持(生活)期を結ぶ、つまり高度に進歩した臓器別専門的治療を安心した地域生活に繋ぐ、地域連携の中心的存在として重要な役割を担うことが求められています。今後の回復期リハビリ病棟は、亜急性期医療の場としての質や地域における明確な機能・役割が、より強く問われていくことと思われます。また維持(生活)期リハビリテーション(特に介護保険サービス領域)については自宅のみならず施設(高齢者住宅を含め)においても、そのあり方と効果が問われていくことでしょう。

 これらの意味からも、今後は高齢者医療におけるリハビリテーションの重要性をより具体的に且つ実績に基づいた明確なメッセージとして訴えていくと共に、救急医療とリハビリテーションが地域を支える重要なインフラストラクチャーであることを幅広く啓発していくことが私たちの重要な任務の一つだと考えています。

どのように年老いても、またどのような障害があっても安心して地域生活が送れることを目標とした地域包括ケアシステムの構築

 どのように質の高い医療サービスや介護サービスが提供されようとも、高齢者や障害者が安心した地域生活が送れ、社会参加が実現しなければ、そこに展開される地域医療や介護は最終的な目標を喪失してしまいます(何のための医療サービスか?介護サービスか?)。故に、私たちが関わる患者さま、対象者の方々そして家族が自立した尊厳ある地域社会の一員として参画していけるような地域のシステムづくりが重要であり、そのためにも地域包括ケアシステムに地域リハビリテーションの視点が融合していけるように私たちがしっかりと関わりを持つことが重要と考えています。

何とかしたい障害児・者そして認知症対策

 障害児・者に関するリハビリテーションや認知症に関しては、まだまだ議論が不十分となっています。しかし、例えば回復期リハビリ病棟を退院する脳卒中中途障害者だけを見ましても、就労の機会を得ることが困難であり、生活の目標を見失った日々を送らざるを得ない実情が存在する事は、障害者の社会参加にはあまりにも遠い道のりと言わざるを得ません。また高齢化が進むに従い、医療や介護領域のみならず地域生活においても認知症対策は大きな課題となってきています。

 私たちはもっともっと現状を把握し、何とか少しでもこれらの方々が地域社会の一員として社会参加ができるような仕組みづくりを提案していくことが必要と考えます。

全国各地に医科・歯科連携の拠点づくりを目指す

 わたくしはどのような障害があっても最後まで人としての尊厳を守り、「諦めないで口から食べることを大切にする全ての活動」を“口のリハビリテーション”として提案してきました。この活動には歯科医師や歯科衛生士までも参画した多職種専門家チームで関わることが重要です。現在、長崎や大分では歯科医師会との協働の下、リハビリ病院での医科・歯科連携システムが展開しています。是非、各地でこのような拠点づくりが推進されること目指していきたいものです。

 以上、思い浮かぶままにわたくしの思いを記しましたが、地域リハビリテーション活動を通してノーマライゼーションからインクルージョン社会を実現させていくためには、まだまだ多くの解決すべき課題が存在しています。しかし、いずれも地域のニーズにしっかりと対応できるリハビリテーション施設が存在し、そしてそれぞれが質の向上を目指しながら、地域を支えることを目指していくことにより少しずつ達成されていくものと考えています。そのためには報酬上の裏付けもまた重要な必要条件です。経済が混迷する中、今後益々効率性・効果性・質が問われていくことは必定でありますが、活発な委員会活動によって本質を見極め、確固たる実証づくりに努力し、関連団体・厚生労働省や医師会などとともに連携しながら、これからのリハビリテーションのあり方や制度について積極的に提案を行っていけるように、そして我が国のリハビリテーションの大いなる発展に寄与できるように頑張っていく所存です。

 最後に、今後も諸先輩の思い・志を継承することによって協会の更なる飛躍を目指すことはもとより、会員のみなさま方の協会加盟の意義を今まで以上に強く明示できるように、そして明確なメッセージによって更なる会員の拡大につながるように新役員一丸となって協会運営に努めてまいりますので、みなさまのご支援の程重ねて宜しくお願い申し上げます。

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